side 奈々




なんなのあいつ









なんであたしに関わんのよ









同情してるくせに









あいつに見つかったら終わりなのに











なのに












「なんでよ」










頬に生温いものがつたわった









泣いてんのあたし











「ははっ」









今にも消えそうな声で笑った









もう出ないかと思ってた










枯れたて思ってた








「っっ・・・すき・・・棗・・・すき」








ほんとは気づいてた








棗に対しての気持ち









だからほんとは嬉しかった








『関わんないで』て言ったとき『やだね』て言ってくれて










嬉しかった








ほんとのあたしに気づいてくれて










でもねあたしは幸せになっちゃいけない