「あ。はいあげる。」 思い出したように真白があたしに何か紙を渡す。 「…桜の夢。」 そう書かれたチケットには 小さくうすピンクの綺麗な桜が 印刷されている。 「それすごい話題の映画! ほんと感動するよ。 私たくさんそのご招待券もらったからあげる。 伊吹くんと受験終わったらいってきなよ。」 「ま、真白おおおおお。」 真白が心なしか 天使に見えて ぎゅーと強く抱きつく。 …が。 「キモい 離れろ。」 あたしを突き放して 冷たく見つめてくる。 …前言撤回。 悪魔に見えてしまいます。