「でも2年間しか
   同じ高校にいれないんだよね…」


持っていたシャーペンで
伊吹にばれないように
やだな。と書いた。


「まぁ…そうだけど。 
この年の差も悪くないじゃん」


伊吹がプリントを見て
俺も、やっぱやだ。と書く。


それを見てふふっと笑うと
顔が近づいてきて

軽くちゅとキスされた。



「…少しでも一緒にいたいから夜空頑張って?」

「うん。」




いぶき。
イブキ。
伊吹。


いつも一緒にいてくれる。

優しくて面白くて
たまに変な親父ギャグを言う
愛しいあたしの彼氏。


短髪の黒髪も 
男なのに長いまつげも
薄い唇も
全てが愛しい。


お兄ちゃんの後輩だっていう紹介からもう半年。


叶わないと思っていた
この初恋は
うまくいっている。


ねぇ、そうだよね。


ぱっと視界に入った
窓の外の空が

春色に染まってきているのを
何故か寂しく感じた。