Night sky**



***


「い、ぶき?」


目の前のベットで
横たわっているのは
確かに昨日まで一緒にいた

愛しい伊吹。


けど、違うのは


「冷たい…」


そっと触れた
サラッとした息吹の肌が

暖かみを無くしたこと。



「伊吹、伊吹っ…」

知らぬ間にもう目は
涙がこぼれ落ち続けてる。


なんでそんなに
冷たいの


目を閉じたまま
伊吹は何も言わない。


ねぇ、
映画見に行くんだよ。

約束、したじゃん。

約束破っちゃいけないって
言ってたの伊吹だよ?


ねぇ、ねぇ、ねぇ


頬に何度も伝う温かい涙が


「なんで  伊吹が…」


ぽとりと伊吹の綺麗な肌に
落ちる。


あたしの悲しみも
計り知れないほど

溢れ出していた。