そんなときだった。
 机の前にある男の子がやってきた。学校長の息子、鈴川藍だ。
「いつも空見てるよね?」
「えっ!」
私はすごく驚いた。
(なんで鈴川くんがそのことを!?)
まあいいや。
「そうだけど、何か用?」
鈴川くんは小さなメモを目の前に持って来た。
メモを私が受け取ると鈴川くんはどこかへ行ってしまった。
 メモにはとてもきれいな字で
『4時40分に昇降口まで来て下さい。
 待ってます!』
と書かれていた。