「吉乃様……。」
頭に被った三笠のツバを上げて深々とお辞儀した。
突然のサルの登場に私は扉の奥にいる殿が気になった。
「――文を受け取り慌てて来ましたよー!!
無茶苦茶焦りました。」
私と帰蝶を交互に見返した彼はその日に焼けた肌に汗を浮かべた。
「その割には…十分な警戒ですこと…!!」
屋敷の近くに揺れうごめく大松の炎が過ぎ去るのを‥賺さず切り出した彼女は強気に答えた。
「め‥滅相も御座いません。
だからこうして‥1人ここに約束通りきたではありませんか?」
帰蝶の鋭いツッコミにうろたえつつも視線の先を扉の奥へと微かに移した彼の視線になんとなく違和感を感じて私は扉をしめた。
「吉乃様…までワシを疑っておいでですか?」
扉を閉めた私の行動に気づき後ろめたそうに答えた。
「いいえ…。
ただ…あなたの活躍は目まぐるしいモノがあって…あなたの目が昔みた目ではない気がしたから…。
少し変わりました?」
彼の注意をひくように話題を逸らすものの彼は扉の向こう側をチラチラと挙動に見つめた。

