殿が不意に呟いた疑問に言葉を失う…。
木々の枝に鳥達が止まり私達を見下ろしている光景に私は殿の言葉の真意を探る。
今の私は…殿が何を守りたかったかさえも覚えていない…。
だけど…殿が守りたかったモノを守る事は…きっと出来る筈…殿やこの時代の戦国時代…に生きた人達…。
モノが溢れていなくても…この時代には守りたい何かが存在しているのを感じる………………。
「殿の守りたいモノって何だったんですか?」
仲むつまじく枝の上で寄り添う鳥をみながら尋ねる。
「わしは…ただ戦国の世を終わらせなければいけないと思っておった。
戦国の世が続けば…戦で無意味に命を落とし…家も家族もなくなる…。
戦のない世界がわしの夢じゃ…。
さすれば…大切なモノをなくすことなどないからのう…。」
木々のざわめきの中に殿の思いが胸に響く…。
サーッ…と風がふきつけられ枝の葉が宙に舞うなか殿は私の手を握った。
「―――心配ない…。
―――必ずそなたらの住む現代には連れ帰る。」

