稲光がトラックの荷台の向こう側よりはじけたその瞬間……いきなり激しく車体が揺れ動きそして…何かに勢いよくぶつかり合った果てに止まり私達はそのまま勢いよく荷台の壁に激突したような感覚だけが気を失った夢の中で感じた後―――――――――。




 「――――吉乃…………!!

 ――――吉乃!!」



 しきりに私を呼ぶ殿の声が意識の向こう側に響き何かヒヤッとした冷たいモノが額に触れた感触に私は意識を取り戻しゆっくりと瞳をあけた。



 ぼやっ~とした視界の先に美しい女性が私を見下ろす。




 「あっ………!!


 殿っ!!


 目が覚めましたわ!!」




 私に気づいた女性は…やがて嬉しそうに私の手を握る……。



 「おおっ………!!

 吉乃!!


 良かった!!」




 何がなんだかわからないけど…命だけは助かった事だけは実感して身体中の痛みに悶えながら体を起こした。




 「痛っ――!!」



 身体のあちこちに痛みが走り私は声をあげた。