―――しばらくわしはトラックの下で身を潜めていたが…やがて二人は別れそのうちの１人娘の弟は別の車へと乗り込む姿を目撃した。
ひとまず細心の注意を払いトラックの下から這い出ると近くの車の間に隠れて指笛で濃が遣わした鳥を呼び寄せ足についた文を読み…あの娘と一緒にいた弟が乗り込んだ車を覗きこんだ。
窓越しに眠る吉乃を見つめたが…弟がふいに目を覚ましたのに気づきわしは急いで車の下に滑り込んだ。
男はやがて…後ろの荷台を開けて布地を取り出した隙をつきトランクに滑り込んだ…。
弟は再び戻ってきてトランクを見回してはいたもののやがて眠る娘を起こす声が聞こえまた再び足音が近づいたものの鳥達が注意を逸らしてくれたお陰でわしはトランクに乗り込んだままその場を後にした。
