一時は…吉乃に似た者に気づかれそうになり車の間を駆け抜けたわしはひとまずレンタカーのトラックの荷台に身を潜めた。 その後…エンジン音とともに進んだ拍子に体勢を崩して背後に転び後頭部を強打し気を失っている間に…過去の夢へと誘われていた。 そんな中わしを乗せたトラックは京都の道のりを進行し…やがて京都手前の最後のパーキングに寄り停車されていたらしくふいに眠りから覚め後頭部をさすりながら体を起こした…。 鳥の囀りと鍵穴からこぼれてくる光に夜明け近くなんだという事を感じゆっくり扉に近づいた。