「キャッ――――!!!」
張り裂けんばかりの叫び声を上げた瞬間‥身体は宙に投げ出され銃声の音と真っ白な白煙に飲み込まれる。
ガシッ‥‥‥。
強く抱え込むその腕から温かさが伝わってきたあと――ザシュッ‥という鈍い音を上げ土埃がまった。
「大丈夫か!!
吉乃!!」
聞き覚えのある声に私は思いっきり抱きつく。
「―――殿っ!!!」
「良かった!!
吉乃!!
無事で‥!!」
その後きつく身体にくい込まれるように抱きしめられて実感する‥。
「―――ちょっと‥!!
邪魔何ですけど‥‥‥!!」
「おおっ‥!!
お主も無事で何よりじゃ!!」
ふてくされた諷馬にニヤリと悪戯な笑みを浮かべ殿はオマケのように付け加えた。
「濃‥!!
帰蝶‥!!
大義であった‥。
また生きてあおうぞ!!」
私を抱いたまま白煙に巻かれつつ大長刀を構える二人に労いの言葉を贈る‥。
――ああ…!!
もうここでこの2人とはさよならなんだと悟った‥。
「身に余るお言葉‥!!」
2人は頷いた。
殿を支えた‥お濃。
お濃を支えた‥帰蝶。
そして‥天下の足掛けを支えた殿‥。

