「た…助かった!!
現代に帰ったら真っ先にお墓参りにいくわね…!」
「もうっ!!
ママこんな時に物騒な事…。」
二人に守られるなんとか荷台と扉近くの天井にたどりつく頃縛られた藤吉郎の声が響いたと同時に白モヤの中声をあげた。
「矢でも銃でもなんでもいい―――!
忍びから倒せ!!」
藤吉郎の声に梯子をもちいった藤吉郎の家臣達が屋根のモヤへととびこみ敵見方まみえて決戦となった。
「まさに好機―――!!
今の隙にまず吉乃様のお母上から!」
「えっ………。
ちょっ…!!」
そういい終わるか言い終わらない内に帰蝶は母をグイッと自分の身体に引き寄せたままトラックの上から飛び降りた。
「さあ…!!
諷馬‥!!
生駒の姉様も早く‥!!」
呆気にとられていた私達の背を押し急かしたお濃の声が響いたのと後ろで激しい銃声音が轟いたのと同時期に火薬の匂いを含んだ激しい爆音と風に私達は突き飛ばされた。

