――あっ…!!!
「危ない……… !!」
思わず背後から諷馬の服を掴み叫び恐怖に思わずまぶたをとじた。
その光が何かを切り裂くとともに宙に鮮血の花しぶきが白いモヤに舞う不気味な音が響いた。
諷馬の背中の服を握る手すらガクガクと震える…。
そんな周囲を打ち払うように一瞬空気をさくように風がサア…と裂ける感覚を感じ恐る恐る瞼を開ける……。
ゆっくりと払われた風に大長刀を振るう華奢な見慣れた背中がぼんやりとみえた。
「――お濃っ…………!!」
その後ろ姿に私達3人は声を揃えた。
「ご無事…何より……!!!
ここは……私達にお任せあれ……!!」
打ち払うかのように大長刀をクルクルと回し敵を薙ぎ倒していく姿に安堵したのも束の間…グイッ…と引っ張られた。
「さあ…!!
こちらへっ……!!」
同じく大長刀を奮い立ち敵を一網打尽に打ち払うその人物は勝ち気な笑みを浮かべた。
「帰蝶―――――!!
お濃………。
よくぞご無事で……!!」
この危険な最中私達をガードするかのごとく先陣に帰蝶が立ち後陣を固めてまるで私達を押し守るように白きモヤから現る忍衆に向かい殿達の後を追う。

