「大丈夫かー!!!
吉乃―――!!!」
白いもやの向こうから殿の声と刃先がぶつかる音が聞こえきたのと同時にいきなり私達の前に黒い物体がぶつかるように倒れ込んできた!!
―――ああっ……!!
今度こそヤバイ~!!
生きた心地がしないまま私とママは諷馬の後ろに迷い込む!!
「ちょっ………!!
ず…ずるいっ………!!」
「うるさいわねー!!!
つべこべ言わずその物体どけなさいよー!!!」
嫌がる諷馬をママは一喝しながら叫んだ…。
諷馬はそのままその相手の身体を足先で転がし“ひっ‥‥!!”と声をあげ2、3歩物体から後退りした。
「なんだったの‥‥???」
恐怖で打ち振るえながら諷馬に尋ねるもののプルプルと首を横に振った。
「斬られてる‥。
多分‥!!」
「わかったからその先言わなくていいわよー!!!」
諷馬の恐れおののく態度と言葉に私達は更にその物体から少しずつ後刷りしながら白いモヤに薄くうつる影に気付き目で影の数を確認する。
――ひとつ…。
ふたつ…。
みっつ…。
よっつ…………!?
4つ目の不審な背後の影を数えた時…影は両手を高くあげた先に刀のようなものをもってまさにおそいかかろうとしていた…………!!!

