「さあ…!!
柴田が引きつけてる間に…トラックに乗り込むぞ!!」
藤吉郎の悲痛な叫びをあざ笑うようにふいと顔をあげた殿は徳家くんと諷馬に向かって光の向こう側に視線投げかけた。
「そ、そ、そ、そんな~!!!!
こ…こんなとこに置き去りなんて酷いですよー!!!」
「なあに…お前に生きる気と運さえあれば…なんとかなるさ!!
必ず生き延びろよ!」
怯える藤吉郎に再び目を落とした後…口元に口角を上げ強気に嘲笑い身を翻して白光の先へと走り始めた。
「お、御館様っ―――――!!!!」
藤吉郎の声を振り切るように殿は光の中に飛び込む。
「―――確かに…もはやこれまでのようですね…。
大丈夫ですよ……!!
単に生きるだけですから…!!」
「そんな…簡単に…!!」
その様子を見守る徳家くんは構えていた火縄銃をなぜか藤吉郎の横に置きながら幼い笑顔を浮かべ立ち上がり殿の後を追う。
「ヒィィィッ――!!」

