「ちょっとやりすぎでは‥‥???」
「―――大事ない‥‥!!
サルに運があれば‥こんなところで死なず天下を取れるだろう!!」
見ていて気の毒になる程‥悲痛の叫びをあげていた藤吉郎を1人置きざりにして殿は屋根の先端部分まで歩み寄った。
「すみませんね‥‥。
先を急ぐので‥‥!!」と徳家くんも助けを求める声を笑顔でスルーし‥さすがに気の毒そうに後ろ髪をひかれるのを振り切るように諷馬も「ゴメンナ‥‥!!」と一言誤り殿の後を追う声を背にした殿は立ち込める白煙に向かって指笛を吹き鳴らした。
「わーっ!!
ここで行き止まり……!!!」
白煙に先の視界を奪われる中‥‥‥先端部分にたどり着いたママは下を見下ろしながら呟いた時…白煙の中をゆっくりと雄大な翼を広げて近づいてくる鷹がいっせいに白煙の彼方へと突き進んでいった。
「よしっ!!」
「よしっ!!…じゃあねぇんだけど……!!
まさかここから飛び降りようって魂胆じゃないよな???」
深い吐息と共に自信に満ち足りた口調の殿に呆れながら諷馬が突っ込みをいれた時だった……。

