殿の言葉に私は二人の姿を探し屋根の上から二人の濃姫の姿を探すものの地上に二人の姿を探す事は出来なかった。
「………そんな………。
そんなはずは……!!」
先程まで勇敢に長刀を振るう勇ましく戦っていたその二人の姿を見失う変わりに次々と空中から射落とされる矢の餌食のように増える忍びの残骸に地面は埋め尽くされる中目を凝らし二人を探した。
「案ずるな………!!
奴らなら大丈夫だ!!」
「でもっ………!!」
「……吉乃は奴らがあんなごときで死ぬヤワな奴らだと思っておるのか?」
私の言葉を制して殿は更に言葉を続けた。
「奴らが生きていてもそなたが生きていなくては会えぬではないか!!
生きて二人に会いたくば現代に帰ろうぞ!!!」
力強く私の肩を叩き殿は不敵な笑みを浮かべた。
「………殿………。」
私の言葉を制して殿は私の肩を掴んだ。
その掌から伝わる温もりと一点の曇りのない瞳で見つめられ私はその瞳の奥に2人の濃姫達を揺るぎなく信頼しているという事を悟った。

