顔面蒼白のまま藤吉郎は絶叫するも…空中から無数の矢が雨のように地上の敵目掛けて降り注ぐ音にかき消された。
「‥‥‥鬼だ‥‥‥!!
あんた‥‥‥!!
確かに鬼だよ!!!」
予想もしなかった展開に諷馬は腰をぬかして声を震わせた。
そんな諷馬の言葉を鼻でフンッと吹き飛ばして悪戯な微笑を浮かべて私の肩に手を置き無言で頷いた後再び火縄銃を手にして構えた。
火縄銃の銃声が再び闇夜の空に轟く音と無数の矢の雨が容赦なく降り注いだ。
あまりの地獄絵図的展開に呆然と立ちすくしていたがなぎ倒されていく追っ手の姿をみて我に返り再び濃君と帰蝶の2人の事を姿を懸命に探すものの見下ろす先に2人の姿は既になくなぎ倒されてた追っ手達がバタバタと次々に倒れ砂誇りをたて地面を埋めていった。
「さて……。
そろそろわしらも帰るとしよう………!!」
「さ……賛成!!!
帰って夕飯の準備しなきゃ!!!」
殿の一言に相変わらずママが空気の読まない発言を繋げた言葉に私はママを睨んだ。
「だめよ!!
まだ2人の濃姫様達の安否が確認できてないし置いていくなんて出来ない!!」

