火縄銃を構えニヤリと笑う殿に諷馬はゴクリと生唾を飲み込み喉を鳴らした。
「まあ…やるしかないですよ!!
帰りたくばね!!」
さらりとあどけなく笑う徳家くんも火縄銃を構えて諷馬を急かし諷馬は大きくため息と共にうなだれたのを横目でみた殿はフンッ…と鼻で笑い火縄銃の銃口を再び藤吉郎へとむけた。
「ひぃぃっ~!!
お許しをっ―――!!」
差し向けられた銃口をジリジリと狙いを定め殿は藤吉郎の恐怖を煽り笑った。
―――ズドーーーン…。
鈍い音が森林の奥まで響いた。
「あわわわわ………。」
蒼白した藤吉郎はガタガタと体を震わせて空へと差し向けられて放たれた銃口の白煙の柱を涙目で見つめた。
白煙は風に揺られながら銃口の先をユラユラと旋回し天高く登ってゆくその様子に呆気にとられていた矢先………。
カツッ………と音と共に一本の矢が殿に目掛けて放たれてきたのに気づき再び銃声が森の中に響いた。

