両手を広げ帰蝶を庇い殿を真っ直ぐ見据えた。
怒りに満ちた瞳をギラギラと光らせて刀を振り上げ野太い声で叫んだ。
「―――どちらの味方じゃ………!!!
……吉乃………。
そなた………今ここでこの者を逃せば次は確実にやられる事もあるのじゃ………――!!!
答えろ…………!!!」
刀の尖った刃先が私達に向けられたものの私は殿から目を逸らさずに答えた。
「―――事情もきかずに斬る事は簡単………。
せめて最後に事情があるなら聞いてからでも遅くはないはず……。
暗殺といえど……このような綺麗な着物と短刀一つで殿のお命を狙うくらいですよ………。」
「………………。」
殿の鋭い視線に怯まず真っ直ぐに見据えると殿は目の前に差し出した刀をひきクシャッ…と髪をかいた。
「―――あっ――!!
分かった……分かった!!
どうでもいいが……女!!
なぜわしを狙った!!」
苦潰した表情で頭をかきながら帰蝶に事情を仰いだあの日の光景………。

