帰蝶の背中をじっと見つめる濃姫の視線に自分の食べ終わったお膳を持ち濃姫へと差し出した。
「――濃姫 羽柴殿のお相手私が致しますわ。
帰蝶がお膳を運ぶのを手伝ってあげて…!!」
「………えっ………?」
濃姫…もとい濃君は私の言動に目を見開き驚いた。
「さあさ――!!
茶の湯の支度までは……さすがに私もよく知らないから濃姫に手伝ってほしいなあと思って……!!
殿……よいでしょう?」
サルこと藤吉郎殿を挟んだ濃姫と殿を交互にみながら尋ねた。
「――吉乃の頼みならまあ致し方ないが……サルごときが吉乃に食べさせてもらうなど癪だから…諷馬そなたがサルに食べさせるとよい!!」
「ゲッ………!!
なんで俺が野郎に食べさせなきゃなんないわけ??」
殿の命に諷馬は一瞬で怪訝な顔をした。
「――そなた……!!
いつもは吉乃に近づく者には警戒しておるくせに吉乃がよその男に箸で摘み食べさせるって時にはしゃしゃりでて来ぬのじゃなあ………!!
仕方ない……。
わしが食わせてやろう………!!」
殿は濃姫から箸を乱暴にひったくりなぜかそのまま里芋に勢いよく突き刺した様子に更に真っ青な顔で藤吉郎は首を横に振った。

