その笑い声が聞こえたのか…ユラユラと大松を揺らし雑木林の影から様子を見て屋敷の周りをうろちょろしていたようだったがピタリと動きが止まりこちらの様子を見ているようだった。
「動きが止まったようですね…。」
大松の炎がユラユラと一定の場所で揺れる様を眺めて帰蝶が笑った…。
「―――うむ…………。
暫くは……この状態で様子を見守るしかあるまい……。
あと現代に帰れる時間まで―――何時間じゃ……?」
「―――そうですね……。
ここにたどり着いたのが辰の刻にあたる現在の時刻で午前9時でしたので…今は午後 …酉の刻といったとこでしょうか。
そう考えるとあと12時間後までは…3時間後となります」
戸塚教授が時計を見ながら殿の時代と私達の刻読みで説明した。
「あと…しばらくの辛抱じゃな……。」
「そうですわね………。」
帰蝶は微笑みながら…食べ終わったお膳をさげつつ立ち上がったのを何気に目で追いかける濃姫…もとい濃君に気づいた。
「茶の湯でもなさりませ……。
今…準備いたします…。」
帰蝶は出来るだけ濃君の視線をさけるように魅惑的な笑顔を残して部屋をあとにした。

