『武士ドルが斬る!?』 〈後編〉



 私はその時…殿がぐっ…と拳を握りしめた仕草に込められた想いを感じた。



 家臣を前にして息子達の事を嘆くことが出来ない………。



 信忠の事も信雄の事にしても…あの本能寺で起こった出来事 は殿に取っても思いがけない出来事だったのかもしれない……。



 「二人連れてきたわよー!!

 あれっ?

 どうしたの??」



 戸塚教授と半田刑事と柴田さんと諷馬と共に部屋に入ってきたママが緊迫した空気を感じ尋ねた。



 「いえ………。

 さあ皆も揃った事ですし食事にいたしましょう…。」



 肝が据わっているのか帰蝶は…明らかに何かあったような雰囲気を物ともせずまるで何もなかったかのようにさらりと答えそのままお膳を囲み戦国時代の食事会にそのまま持ち越した。




 「――つぅか…なぜその人縛られてるの?」



 相変わらず縛られたままの藤吉郎に違和感を感じた諷馬は尋ねた。




 「―――そんなの逃げぬように決まっておるじゃろう!!

 外の連中に見せしめじゃ!!」




 殿がアッサリといった計画に思わずほおばった里芋の煮っ転がしを詰まらせそうになり慌てて白湯を流しこんだ。