「信雄がわしらの仇討ちに遅れ光秀を討てなかったのは事実………。
本来ならば…権六のいうように信孝を推すのが正しかろうが…吉乃の生んだ子を世継ぎにと言った事を守ってくれたのだと思っておる…。
信雄が信忠やわしの変わりに織田を守りたいのならば…まずは己でどうすればよいか考え決める事じゃ………。」
「相変わらず信忠様や信雄様には手厳しいこと………。」
信雄に対して手厳しい言葉を放った殿に対して私を気遣うように帰蝶は言葉を繋げた。
その様子に気づき殿は私に対して申し訳なさそうに詫びる。
「吉乃………。
許せ………。
信忠の事も信雄の事も…憎くて冷たく厳しく当たったワケじゃない………。
戦国の世では…背中をみせた方が負けじゃ…。
諦めたらそこで命が途切れる………。
それが――戦乱の世というものだ…。」
弁解しながら戦国の世の在り方を伝えた殿の言葉に私は胸が熱くこみ上げてきた。
「――私……。
戦国時代の事は…詳しく夢でみたワケじゃないけど……殿の想い痛い程わかります………。」
「―――そうか……。」
私の言葉にホッとした表情をみせた殿は刹那気な表情を浮かべた。

