真剣な眼差しで殿を真っ直ぐ見つめたまま想いを伝えた。
「―――そうか……。
まあ……よい所詮わしは光秀の謀反ごときを見破れず天下取りから退いた身…今更再戦する気もない……。
そもそもわしは…50まで生きる事が出来ればその後は武門とは違った生き方をしたいと思っておった…。
天下取りはその前に戦乱を終わらせる足がかりを作りたかっただけじゃ…。
サルよ……!!
天下を手にする事はたやすい事ではない……。
時に己でも信じれぬ程…非道に接する事など数えきれない程遭遇する…。
――そんな時…笑っていられるか…怒りをぶつけるか…そのままやり過ごすかは己次第じゃ……!!」
ニマリと笑って殿は藤吉郎に伝えた。
その言葉の意味がどんなに深い想いを秘めていたかを感じたのか彼は深々と頭を下げた。
「しかし…殿…!!
信雄様のお気持ちはどうなさいます?」
隣に座る濃姫が口を挟んだ言葉をまたさらにニマリと笑って鼻で笑い飛ばした。

