「なんか水沢くんと帰るのってヘンな感じするね〜」 薄暗い空の下を水沢くんとふたりでトコトコ歩く。 「そう?」 「うん!」 水沢くんと学校で一緒なのは最近ふつうになってきたけど、学校以外で一緒なのははじめてだからヘンな感じ。 カレカノみたいだな、なんて思ったり。 「あっ、そういえば水沢くんの家はどこなの?」 「南町だよ」 「へえ〜南町かぁ……って、南町!?」 「うるさいな。なに?」 耳をふさいで顔をしかめる水沢くん。 だって南町って……!! 「南町って旭ヶ丘町から反対方向だよ!?」