「それじゃあまた明日ね、水沢くん」 昇降口を出て校門のところで水沢くんに別れを告げるとまたもや「ハァ?」という顔をされてしまった。 え、なんですか? 私、また水沢くんの機嫌を損ねるようなことした? 「キミさ、本当にバカなの?」 「……え?」 馬鹿に付ける薬はない薬はないね、と呆れかえった様子で私を見ている。 ば、バカ……? たしかにバカですが、私なにもしてないはず。 「いまは何時でしょうか」 そしていきなり時刻を質問された。 「えっと……5時半、過ぎです」