ふたりきりの教室で、唸りながら頭をひねる私とスマホのアプリで遊ぶ水沢くん。 めんどくさい、って……。 「そ、走順決まらないんですが…」 「そんなの適当でいいんだよ。名前の順とか」 「それはあまりにも適当すぎじゃ……」 というか、そんな適当に決めたら私が怒られる。 「うぅ~~~」 もうどうしよう……。 やっぱり私、こういうの向いてない。 ダメだな自分、と半分涙目になりながら頭を抱えたとき。 「ハァ……まったく、そんくらいで泣かないでよ。貸して」