「それで…どのようなご用件でしょうか?」
『あー、まあ特に用はないんだけど』
用ないのにかけてきたんですかい、と突っ込みたくなった。
「…あ、そういえば、水沢くんはどうして実行委員やれって命令したの?」
と、そこで気になっていたことを思い出したのでせっかくだから聞いてみた。
「別にやる必要なかったんじゃ……」
『バカだね、ホント。保険はかけるにこしたことないでしょ?』
……保険?
『あのままだれも立候補しなかったら推薦かクジ引きになる。それでもし僕が推薦されたり、クジで決まったりしたら僕はキミ以外の女と実行委員をしなくちゃならない可能性が出てくるでしょ?』
「はぁ、な、なるほど…」
それはそうかもしれない。
『でも、僕はそんなのごめんだね。なんで放課後までニコニコしなくちゃならないの?めんどくさいったらないな。って思ってキミを立候補させ、僕も立候補した。キミ相手ならニコニコしなくてすむしね』

