「すみません……」



「あの子、柔道部で力強いんだから。キミみたいな軟弱なヤツ、すぐ吹っ飛ばされるよ」



「えっ?」



「なに?」



「どうして水沢くん、校條さんが柔道部だって……」



知ってるの?



昨日、水沢くんは校條さんのこと知らないって言ってたのに。




「ああ、知ってたよ。彼女、柔道で県1位だし。名前に似合わずデカい子だなーって印象強かったもん」



「じゃあ、どうして知らないってウソついたの?」



別にウソをつく必要なんて、なかったのに。



「だってキミ、僕が『知ってる』なんて言ったら罪悪感感じて直接手紙を渡しに行きそうだったし」



……てことは水沢くんは、私のためにウソを?