み、水沢くんがあ、あた、頭を下げてる…!



校條さんの態度が私のときと明らかに違うことよりも、



水沢くんが人に頭を下げたことの方に驚き。



「校條さんの気持ちはすごくうれしい。でも、僕、今は人と付き合うとかそういうのは考えられないんだ。学生のうちは、勉強に専念したくて…」



「そ、そうだよね!ごめんなさい、私ったら自分の気持ちを押し付けてしまって!」



「ううん。校條さんの気持ちはすごくうれしかったよ。こんな僕を好きになってくれてありがとう」



最後にフワリとした笑顔を浮かべ、水沢くんは見事その場をおさめた。





「それじゃあ、僕はこれで」



「は、はいっ!」



水沢くんがクルリと体を反転させて、私の方に向いた。



「教室戻るよ」と耳元で言われる。