「み、ずさわく……」
私を抱きとめてくれたのは、まさかの水沢くん。
水沢くんが来てくれるなんて想像もしてなかった。
どうして水沢くんがここに……。
「キミね、受け身くらいとりなよ。僕が来なかったら頭から倒れてたよ、確実に」
「あ、ありがとう……」
私にしか聞こえないように小声でそう言いながら、私の体を真っ直ぐにしてくれた。
「水沢くん!!」
「こんにちは、校條さん。久しぶりだね」
校條さんが水沢くんに詰め寄り、それに王子様対応する水沢くん。
ニコリとキラキラスマイルで、校條さんのハートはもう鷲掴み状態だ。
「わ、私に会いに来てくれたの!?」
息を荒くする校條さん。
「うん。この子が渡した手紙、読んでくれたかな?」
「はいっ!読みました!」
「そう。その手紙の通りだから、ごめん。君とは付き合えない……ごめんね」
頭を下げて、シュンとした声で水沢くんは謝った。