「……で?そのままノコノコ、手ぶらで帰ってきたの?」



「は、はい…」




野柚子、ただいま空き教室の床に正座させられています。



どうやらこの空き教室は、水沢くんの王室となったようで。



「僕、必ず買ってきてねって言ったよね?焼きそばパン」



「は、はい…」



「じゃあなんで買ってこれてないの?」



「そ、それは焼きそばパンの奪い合いは水沢くんの想像をはるかに超えるものでして…。それで、取り逃がしました」



「言い訳いいから。ハァ…食べたかったなぁ、焼きそばパン」



カタン…とイスに座る水沢くんは、完全に王様だ。




水沢くんの召使いというものになって、1週間。