や、ヤバい……。
これは色々とヤバい。
「お、汪爾くん!そ、そろそろみんなに自己紹介したりしたほうがいいんじゃないかな……!」
笑顔を保ちつつも怒っていることが分かる水沢くんを見て、私はとっさにそう言った。
「……ユズコがそー言うなら、仕方ねぇな」
汪爾くんは水沢くんをにらんだあと、渋々といった感じで教卓のところまで戻って自己紹介を終わらせた。
そして。
「よろしくな、ユズコ」
隣の席でニヤリと笑いながらそう言う汪爾くん。
私と汪爾くんが知り合いだと分かった先生は、なぜかわたしたちを隣にした。
ゆ、憂鬱だ……と思いながらふいに水沢くんのほうを見てみると、パチッと目が合った。

