「水沢くんイジワルすぎるよ……」



「そう?まぁ……イジワルするのはキミだけ、だけどね」



イジワルするのは私だけ……。



それって、私にしか水沢くんの素顔は分からないってことだからうれしいけど。



でも、うれしいような、うれしくないような……。



なんとも素直に喜んでいいのか分からない際どいところだ。



「ほーら、こっち向いて」



うーん、と考えていたら水沢くんの手が頬に添えられて。



唇に優しく、キスを落とされた。



「なーんかまだ足りないなぁ。もっとしてもいい?」



一旦唇を離されると水沢くんがニヤリと笑みを浮かべながらそう言ってくる。



「そんなこと言って、私が“ダメ”って言ってもするくせに……」



恥ずかしくて唇を手で覆いながら言うと、水沢くんはその手をつかんで。



「せーかい。よく分かったね」



もう一度、私の唇を塞いできた。