再び水沢くんの腕の中におさまっていると。
「ふーん?」
そんななにかを企んんだような声が聞こえてきて、私はイヤな予感がした。
「キス、イヤじゃないんだ?ふーん?」
「え……いや、その……」
「じゃあ、今から何回しようが構わないってことだよね?」
「そ、そういうことじゃなくて……!!」
マズい。これはマズい。
完璧に水沢くんのペース。なんとかして水沢くんのペースから抜け出さなくては……。
と、思うのに……。
「好きだよ、柚子」
「……!!」
そうやって不意打ちでドキドキすることを笑顔でやる水沢くんは、本当、ズルいと思う。