涙でぐしゃぐしゃの顔になりながらも……私は体を反転させて水沢くんに正面から抱きしめた。
「なーに?キミがこんな大胆なことしてくるなんて、意外なんだけど」
嬉しそうに、楽しそうに水沢くんは言う。
「……ふぇっ、水沢くんっ。グスッ」
「制服に鼻水付けたら今のキミの顔写真とって全校生徒に見せるからね」
「そ、それはイヤ〜〜〜」
でも、涙止まらないし、鼻水付けない自信ないよ……っ。
涙声でそう言うと、水沢くんは「プッ」と吹き出すように笑った。
「キミ、ほんと面白いね。見てて飽きないよ」
そう言いながら水沢くんは私から少し体を離して、私の涙を人差し指でぬぐってくれた。
「ど、どこが面白いの……っ。私、水沢くんには言いたいことがたくさんあって……っ」
「知ってるよ。……キミの言いたいこと、後でゆっくり聞いてあげるからさ。今は、キミがいちばん言いたいこと、言ってよ」
「……っ!」

