水沢くん……っ。
みんなの前では爽やかで優しい王子様だけど、本当は爽やかな笑顔でとんでもないことを言ってくる王様みたいな人。
いつもイジワルで、振り回されてばかりだったけど……。
最後は優しくて。
「……っ」
せっかく、気持ちを伝えられると思ったのに……。
伝える前に嫌われちゃ、意味ないよ……っ。
「水沢くん……」
静かな教室に、私の声が響く。
こうやって名前を呼んでも、水沢くんにはきっと届かないんだろう。
「僕のこと、呼んだ?」
水沢くんのこと好きすぎてこんな幻聴まで聞こえてくるし……っ。
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