数秒の間、なにも言えなかった。 どうして? なんで? その言葉が私の頭の中を埋めつくしていた。 私、キスはだいじょうぶって言ったのに。 水沢くんも、だいじょうぶって言ったって……。 なのに、水沢くんはキスをしてこなかった。 どうして?なんで?なんて、決まってる。 私と、キスしたくなかった。 それしか理由はない。 ……私、こんなにも水沢くんに嫌われてたんだ。 それを、実感した。