「それならいいけど……。じゃ、とりあえず一旦教室もどろ。メイク度具、教室だからさ」
「うん。ありがとう……」
「よしっ!とびっきりかわいくしてあげるっ!」
そう言って笑うサアヤちゃんから、私は元気をもらえた。
それから私たちは教室へと向かい、メイクを直してもらって……。
気がつけば、もうすぐ本番へと迫っていた……。
『――ただいまより、2年A組、“白雪姫”を開演します』
いよいよ時間となり、体育館中にそのアナウンスが流れ、拍手とともに幕が上がった。
いちばんはじめは魔女が鏡に問いかけるシーンからはじまるので、私の出番はまだ。
今のうちに緊張ほぐしておこう……。
胸に手を置いて深呼吸をして…………そこで丁度私の出番が来たため、私は舞台の方へと歩いた。

