イジワルするのはキミ限定*



突然、そう言ってきたのだ。



え、なに……どういう、こと?



「だから、本当にキスしてもいいの?ってこと。いいの?」



「…………」



水沢くんの声色が怒っているようで、私は声が出せず、コクリと静かにうなずいた。



「ふうん……。野上さん、意外と軽いんだね」



「え……」



なんて言われるんだろう……。



そう不安になりながら、バクバクとうるさい心臓に胸を添えたとき。



冷たい声で、水沢くんがそう口にした言葉が耳に届いた。



「だって、好きでもない人とキスできるんでしょ?」



「ちが……っ!」



私は水沢くんのことがきらいじゃなくて、好き、なのに……っ。



水沢くんの言葉を否定したくて声を出そうとするが、次の水沢くんの言葉にさえぎられてしまった。



「ま、野上さんが軽かろうがなんだろうが、僕には関係ないけどね」