そんなことを考える。 「最初はちゃんとできるのか不安だったけど、まぁマシになったじゃん」 「あ、ありがとう……。水沢くんは、最初から上手だったよね」 間の取り方も、滑舌も全部完璧だった。 「当たり前でしょ。僕、演技とか得意だし」 「あはは、そうだね!」 水沢くん、いつもみんなの前で“王子様”演じてるもんね。 そりゃあ、たしかに演技はうまくなるはず。 そう言った水沢くんに対して、笑みを浮かべているときだった。 「……キス、してもいいの?本当に」 「え?」