イジワルするのはキミ限定*



だって、私とのキスを拒まなかった、ってことは……少なくとも、私のこと人間的にはきらいじゃないってことだよね?



……よかったぁ。



涙が出そうになるくらい、うれしくなった。



「水沢くんはオーケーだけど、野上さんはどうかな?イヤなら今までどおり顔近づけるだけにするけど……」



「う、ううん!私もだいじょうぶ!さっきは大きな声出しちゃってごめんなさい……」



「ほんと!?よかった!さっきのことなら、だいじょうぶだから」



私がそう言うと、大谷くんの表情はパアッと明るくなった。



「それじゃあ、俺は他のみんなとも確認してくるね。ふたりとも、がんばって!」



「うん、大谷くんも!」



大谷くんは笑顔で私たちに手を振ったあと、他の子たちの元へと行ってしまった。