サアヤちゃんがくるっとこちらに振り返ってきて、その言葉でようやく理解ができた。
わ、私が白雪姫……っ?
……の、残り物には福があるって本当だったんだ!!
どうしよう、うれしすぎて泣きそう。
うれしさのあまり、無意識で水沢くんのほうを見ると……パチッと視線が混じり合った。
――こうやって水沢くんと目を合わせたの、いつ振りだろう……。
まだそんなに日にちはたっていないのに、ひどく以前のことが昔に思える。
数秒間、水沢くんと視線を交えていた。
……が、しばらくすると水沢くんのほうから視線をそらした。
何事もなかったように。

