ーーお昼休み。
「野上さん、行こうか」
「あ、うん」
“昼休みの勉強”という名目で、私と水沢くんは一緒に教室を後にした。
水沢くんにお礼言わないと。
私の頭の中にはそのことばかりで、はやく空き教室に着け、と心の中で思っていた。
ーーガラッ
そして空き教室に到着し、水沢くんはいつものようにイスに腰かけた。
よし……!
言うなら今だ!
「あの、水沢くんさっきは……」
「もう、終わりにしようか」
お礼を言うのは今しかない、と思って私は口を開いた。
だけど、私の言葉は最後まで発することは許されず、水沢くんの言葉によって遮られてしまった。

