その笑顔を見て、みんな席につこうと足を進めた。
「あ、ちょっと待って。席に着く前にみんな、野上さんに怖い思いさせちゃったんだから、謝らないとだよ」
席につこうとするみんなに向かって、水沢くんはそう言った。
その声を聞いた三上さんをはじめとする、さっき私を囲んでいた女子たちが私の方を見て……。
「野上さん、ごめんなさい」
と、謝ってきた。
「そ、そんな……。あたしのほうこそ、ハッキリ言わなくてごめんなさい……」
数に圧倒されてすぐに否定しなかった私も悪いし。
お互い様だ。
それから三上さんや坂井さんには何回か謝られ、その場はそれでおさまった。
……お昼休み、水沢くんにお礼言わないと。
授業中、そんなことを考えながら私は昼休みになるのを待った。

