坂井さんの言葉に周りにいた人たちがざわめきだす。
昨日の見られてたんだ……。
「いや、それはその……」
「もしかして野上さん、水沢くんと付き合ってるの!?」
「ち、ちがうよ……!それはない、けど……」
「けど?けど、なんなの?」
「え、えっと……」
ど、どうしよう……。
なんて説明したらいいの?
水沢くんとお互いのヒミツを守るために召使いになった、なんて言えるわけもないし……。
というか、それを話しても信じてもらえないだろう。
「どうなの、野上さん!」
「そ、の……あの……」
人の多さと女子たちの圧力に押されて、だんだんと冷静でいられなくなってきた。