ハァ、とため息をつきながら水沢くんは私の腕を見つめた。
「す、すみません……」
「コーヒーかぶったのは腕だけ?他には?」
「腕、だけ」
「そ。ならよかった。そこ座ってて。僕は冷やすものもらってくるから」
「え、あ、はい……」
そう水沢くんに言われて、私はそばにあったイスに座った。
水沢くんは私が座ったのを確認するとスタッフルームを出て行ってしまった。
――バンッ!
「……野上さん、ヤケドしたんだって!?だいじょうぶ!?」
水沢くんが出て行ってから少しして、三浦さんが顔を青くしてやってきた。
「は、はい。大したことないので、だいじょうぶです」
「ならよかった……。ほんとごめんね。ここ、よく小さいお子さんとか来るから気をつけるように言っておくべきだった」
ごめん、と謝りながら眉尻を下げる三浦さん。

