そうこう考えている間にも、腕の痛みは増していく。
そんなときだった。
「すみません。どいてください」
少し焦った声が背後から聞こえてきたかと思ったら……
「なにしてんの。ささっと腕冷やしに行くよ」
赤くなっていない方の腕をつかまれ、私はヤジの中から連れ出された。
「み、水沢くん……っ」
まさか水沢くんが来てくれるとは思ってもみなかったから、目を丸くして私はされるがままだった。
そのまま私はスタッフルームへ連れてかれ、水道のところまで行くと赤くなっている部分を水で流しはじめた。
「いた……っ」
「たぶん、2、3日はヒリヒリすると思うよ。ほんと、鈍くさいね、キミ」

