イジワルするのはキミ限定*



あはは、と笑うものの右腕はヒリヒリしてしょうがない。



ヤケドしちゃったかも……。



「すみません!うちの息子が!だいじょうぶですか!?」



そう思っていると、20代後半くらいの女の人がかけよってきて、私に謝ってきた。



さっきの男の子、この人の息子さんだったんだ……。



「だいじょうぶです」



痛みで冷や汗が流れるなか、必死に笑顔を作り、お母さんを安心させるためにそう答えた。



「でも、右腕が赤くなって……」



「ちょっと赤くなってるだけですから、だいじょうぶですよ!」



「で、でも……っ」



そんな風にやりとりしていると、だんだんと私の周りに人が集まってきてしまった。



ど、どうしよ……。



これじゃあここから立ち去れない……。



スタッフルームに行って、腕はやく冷やしたいんだけどな。